●天昇のそば”奈川在来”とは

奈川地区固有のそばの品種。標高1000mを超える奈川は、良質なそばの産地として知られ、文献では280年以上も前からそばが栽培されてきた土地です。奈川で代々守り育てられてきた奈川在来ですが、1998年の大きな台風で一度はその栽培が途絶えてしまいました。ですが、昔ながらのあのそばの味が忘れられない、もう一度たべたい!という奈川の人々の切なる思いが、わずか一握り残った在来種を探し出し、それをもとに2006年から栽培面積を増やす取り組みを行っています。

●在来種とは

在来種とは、品種改良がされていない野生種。奈川在来は一般的な栽培品種よりもひと回り小粒で、収穫量も少なく、市場に流通することはまれであり、そば通の間では「幻の味」「幻のそば」とも呼ばれている。

なぜ「天昇のそば」と呼ばれているのか?

そばは強い雨や強風に見舞われると、せっかく育ったそばが倒れてしまうこともあります。奈川在来に代わり栽培してきたキタワセそばは一度倒れてしまうとなかなか起き上がることが出来ませんが、奈川在来は雨風に茎が倒れても翌日には穂先が天を向いて起き上がり、その実を守ろうとします。その姿はまさに「天昇のそば」。山間の奈川で力強く生きる人の気質を表しているようです。

●奈川在来の生産量

奈川在来の生命力にあふれた力強い味を少しでも多くの方に楽しんでいただけるよう、収穫量を増やす努力を今も続けています。まだまだ希少で、通年奈川在来を楽しんでいただけるだけの生産量はありませんが、11月の「在来そばまつり」や一部のイベントで提供しております。小粒で風味豊か、滋養にあふれた奈川在来をどうぞお楽しみに来てください。

●奈川臼ひきぶし(奈川民謡)

「臼の軽さよ相手のよさよ 相手変わるなノー 明日の夜も ハアキタサァ(返し)」

「臼をひきゃこそあなたのそばで あいにゃ見るばか思うばか」

「信州信濃の新そばよりも わたしゃ主さのそばがよい」

「臼はひけども焼餅くれぬ 婆さしわいか粉ないか」

「臼をひくときゃ気兼ねのやまで ひいてしまえば棒まくり」

「秋が来たとて鹿さえなくに なんでもみじが色づかぬ」

「おなじそばなら奈川のそばと いとしあなたのそばがよい」